林産婦人科
-HAYASHI CLINIC-

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「更年期障害」と「自律神経失調」について

更年期障害は女性ホルモン、心理・ストレス及び性格の3つの要因が相互に関連し合い複雑な症状を呈しますが、その中に自律神経の不調による症状が含まれます。

今回は、「更年期障害」と「自律神経失調」の関係をお話します。

1.脳と自律神経

脳は大脳半球(物事を考えたりする)と脳幹部(生命の維持に重要)よりなります。

自律神経はこの脳幹部と末梢を結ぶ神経です。

わかりやすく言いますと、心臓の拍動、胃腸や血管の運動などを自律的に調節しています。

普段は私たちが意識していないところでうまく働いてくれています。

脳幹部からはもう1つ、体生神経(知覚神経と運動神経)が末梢に出ています。

2.脳と更年期障害の症状 (図1)

更年期障害は大きく3つの症状で構成されますが、それぞれの症状は脳と関連付けることができます。

図1 脳と更年期障害の症状の関係

中高年女性は「社会・文化的因子」として多くのストレスに包囲された環境にあります。
大きく、自分自身の問題、夫の問題、子供の問題、両親の介護・世話に関する問題に分類でき、現代の社会背景を反映するものも多く含まれます。
また、核家族化、社会との関わりの希薄化も重なり、こうしたストレスを打ち明ける相談相手がいないことも、ストレスの影響を大きくします。
加えて、中高年女性は心身の動揺を敏感に感じやすいことから、精神、神経症状が増える傾向にあります。

(1)精神神経症状

不安やうつ状態などで、主に大脳半球が関わり、心理・ストレスや性格要因が強く影響を及ぼすと考えられます。

また、女性ホルモンの低下は心理・ストレス要因への過敏症につながります。

(2)自律神経症状

顔のほてり、発汗、ドキドキなどで、主に脳幹部が関与し、自分の意識とは別に起こります。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つから構成されており、ほとんど2つの神経が同時に働くことで維持されています。

ストレスがかかるなど急な事態が発生しますと、まず交感神経が反応し、次に副交感神経がゆっくりもとの状態にもどす役割を担います。従って自律神経からみてよくないのは、交感神経の亢進(緊張)と副交感神経の抑制状態で、これが自律神経失調なのです。
それぞれよくない状態で起こる症状を示しますと、交感神経亢進(緊張)症状はイライラ、動悸、息切れ、不眠、頭痛、立ちくらみ、めまい、冷え性、肩こりなど、副交感神経抑制症状は食欲不振、胃もたれ、便秘、下痢、無気力、集中力低下などです。

更年期障害における自律神経症状は水面下での交感神経あるいは副交感神経の失調症状といえます。

更年期によくみられる不眠を例に考えますと、通常昼間交感神経が活発で副交感神経が低下していますが、夜はその逆の働きによりリラックスしてゆっくり眠りにつけます。

ところが、更年期障害では夜間に交感神経が亢進したままであったり、副交感神経が亢進してこないということが起こるため不眠を訴えやすくなります。

(3)体性神経症状

知覚神経症状として手足のしびれや虫が這うような感覚を訴える人があります。

運動神経症状には肩こりや腰痛などがあります。

3.なぜ更年期に自律神経失調症が増えるのでしょうか

更年期障害ではどうして上記の3つの症状が起こりやすくなるのでしょうか。

更年期には月経周期が乱れ、女性ホルモンレベルが低下します。

性周期を作る源は脳幹部にあり、しかも自律神経調節の源と極めて近く、両者は密接に連動します。

性周期の乱れにより自律神経調節の乱れが起こりやすくなるので、更年期に自律神経失調症状が発現しやすくなるのです。

ただ、人により交感神経亢進(緊張)症状が強かったり、副交感神経抑制の症状が強かったり、あるいは両方が重なったりします。

もう1つ重要なことは、大脳半球で起こる精神神経症状(不安やうつなど)が脳幹部の自律神経調節に影響を及ぼすことです。

不安やうつ状態とともに自律神経症状や体性神経症状を伴うことはしばしば見られます。

このような場合には、比較的重症の更年期障害となることが多いのです。

4.最後に

更年期障害と自律神経失調の関係がわかっていただけたと思います。

更年期障害には様々な症状が存在し、その状況は個々で大きく違うことから、治療方法にも工夫が必要です。

対応としては、まず症状の的確な評価とともに、心理・ストレスおよび性格要因を把握し、個々に応じた、薬物療法、心理療法を行うことが重要です。

更年期障害への取り組みは個別性(オーダーメイド)医療が基本です。

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