中高年女性と肥満
最近、健康のために意識的に運動をする人が増えています。
家族やご夫婦、お友達などで楽しそうに歩いておられる場合など、身体と心の健康にいいことだとつくづ<思います。
今は豊かで便利なことから、気づかないうちに運動不足、過剰栄養や脂肪の取りすぎになることが問題なのです。
閉経の少し前から、年齢的なものに加えて運動不足や脂肪の過剰摂取が重なると脂肪が蓄積しやすくなります。
特にウエストから腰にかけて脂肪がつき、体重が変わらなくても上半身が肥ってきます。これは内臓脂肪といって腸のまわりに脂肪が蓄積するためです。女性は体形が崩れるといって大変気にされますが、医学的にもこの内臓脂肪は皮下脂肪に比ベて、生活習慣病(糖尿病、高脂血症、脂肪肝、高血圧)と関連が深く要注意です。
なぜなら内臓脂肪は代謝が活発で直接肝臓に悪影響を及ぼすからです。
少し悪い性格の脂肪といえますが、幸いなことに内臓脂肪は生活習慣の改善により多少蓄積が防げることがわかっています。
中高年女性では油断をすると内臓脂肪の蓄積とともに動脈硬化が知らないうちに進みます。中高年の過ごし方が老年期の健康を決めるといっても過言ではありません。
とにかく生活習慣病は予防が第一、次に適切な治療です。私の婦人科外来では、内臓脂肪の蓄積を防ぎ、生活習慣病の発症を予防することに取り組んでいます。
まずは、健康チェック、次に生活指導、それでだめならお薬による治療の追加も考えます。
今を生き生きと充実して過ごし明るく元気な老年期を迎えていただきたいものです。少しでも皆様の健康のお手伝いができれば幸いです。