更年期あれこれ



中高年女性と尿漏れ(尿失禁)

 

 尿失禁とは無意識のうちに尿が漏れる状態であり、中高年女性の30〜40%に見られます。その種類としては、咳やくしゃみなどお腹に力を入れた時に漏れる「腹圧性尿失禁」が最も多く、次いで、トイレに行く途中に漏れてしまう「切迫性尿失禁」があり、この二つが、ほとんどです。尿失禁は閉経前後で最も多くみられ、閉経以降、悪くなる傾向があります。尿失禁の重症度は失禁回数、下着の交換回数、日常生活の制限、尿漏れパッド使用の有無などで判断しますが、日常生活に大きな支障をきたす重症尿失禁は尿失禁全体の5〜6%です。ただ、軽症から中等症の尿失禁でも不快感や羞恥心を生むとともに、時には自信を喪失させるなど、女性の精神的健康度に大きく影響を与えることがあります。私の調査でも、尿失禁に悩み、外出を控えたり、人との関わりを制限するなど、日常生活の活動性低下がみられる人は少なくありません。近年、マスコミなどで尿失禁の問題が取り上げられるようになり、尿失禁に悩む患者さんの来院数は増えていますが、まだまだ、悩んでいる女性は多いと予想されます。

 原因にもよりますが、中高年女性の尿失禁はお薬の治療で90%以上が改善します。お一人でも多く、尿失禁が改善し、健康的で活動的な毎日を送っていただければと思います。

 尿失禁、それ以外にトイレの回数が多い、尿のことが気になるなど、尿に関することでお悩みの方は、どうぞこ相談くだきい。


(林産婦人科 婦人科専門外来担当医)

 

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